先日、出張ワークショップを行ってきました。
舞台は福山市熊野町の「里山がっこう」。里山がっこうは自然豊かな里山で、自然と人、人と人が対話を通して共存し、学びを深めることができる場所です。
今回は、里山がっこうと「母親アップデートコミュニティ(HUC)」の共創として親子ワーケーションが開催され、子どものための造形ワークショップを”みちくさ”が担当しました。
里山がっこうは、希少な日本みつばちを養蜂していたり、元耕作放棄地のシェアファームで大麦や蕎麦を栽培していたり、イノシシの罠が設置されたワイルドな森があったり。その環境に身を置き五感をフル活用して自然を感じることができるのが里山がっこうの最大の魅力なのですが、当日はあいにくの雨…。
急遽、室内でのワークショップ開催になりました。
普段はあまり見る機会のない鳥の剥製や地元で獲れたシカやイノシシの頭蓋骨、ニホンジカの毛皮やシカの毛や野鳥の羽根で作った毛駒などを見ながら、里山がっこうの校長先生が生き物や自然についてのお話をしてくれました。
子供達も興味深そうに話を聞いています。
校長は皆にこう投げかけました。「わたしたちの身体は何で出来てるか知ってる?」
私達が食べているお肉は動物から頂いたもの。そして動物もまた山々の実りを頂いて生きていること。命の循環と、私たちが生きるために命を頂いていることへの感謝。
子供達は語る校長の顔をじっと見つめていました。きっと自分と自然や生き物との繋がりを感じてもらえたのではないでしょうか。
お話もひと段落したところで、工作好きという女の子の「何か作りたい!」という声から、造形ワークショップの始まりです。
予定していた場所ではなく、床に新聞を広げて素材や画材を用意していくと他の子どもたちも自然に集まってきました。
予定では、里山のフィールド体験で自分が気に入った自然物を拾ってきてもらい、標本作りを計画していたのですが雨で叶わず。事前に拾っていたどんぐりや松ぼっくり、落ち葉や枝など自然素材をメインに子どもたちが思うように組み合わせて、自由に工作してもらうことにしました。
自然物からインスパイヤーされて、次から次へ作りたいものが出てきます。
その様子を見ていた大人たちも何だか何かを作りたくなって、一緒に手を動かします。
大人にとっても工作は、集中できるし普段と違う思考をするためか、結構楽しいものです。(みちくさのレッスンでも子どもと一緒に絵を描いたり、工作を楽しむ親御さんもいらっしゃいます!)
出来上がった作品は、並べて小さな展示会。みんなそれぞれ味がある作品に仕上がりました。
出張ワークショップは、制約のある環境の中でいかに楽しいワークができるか、その場の雰囲気を見ながら臨機応変に対応しないといけない難しさはあります。しかし、はじめて会う子どもたちが自分なりの表現をして満足そうな様子を見ると、とても嬉しくなりますし、また挑戦したくなります。
今後も色々な場所で”みちくさ”ワークショップも開催していければと思います。